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風うさぎの日記
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kenminnomori

     10月4日(土)

 台風が又、大きく海上に逸れて穏やかな秋の日が戻って参りました。

寒くも暑くもなく、大した悩みも悲しみも無く、体もそこそこに動くこん

な日はそう滅多にあるものではなく、有難いと言えば有難いのです。

でも油断大敵、こんな日こそ忍び寄るsome-thingに警戒を怠ってはならな

いのです。と、そんな事を思ってしまうのも秋が持つ光の儚さのせいなの

でしょうか。

 昨日は生越から山の尾根伝いを車で走ってもらい、「県民の森」まで

行って参りました。

良く晴れた日ですと、「顔振り峠」の見晴らし台から、遠く新宿のビルが

望まれたりもするのですが、昨日はそこまで視界は開けてはおらず、幾重

にも連なる山々も、うっすらと霞みがかかっておりました。

紅葉にはまだ、少しばかり時期が早いとあって、ひとっこ一人居ない「県

民の森」は実に静かで、鳥の声どころか虫の声だに無く、時折森に栗のイ

ガの落ちる音がするばかり、、、。

とんぼが人恋しげにJ氏の帽子や肩に止まろうと追ってきます。

「県民の森」の展望台へと続く急な坂道を登りながら、道端に落ちている

毬栗から幾つか栗の実を掻き出し、皮をむいて渋をとり子供の頃のように

食べてみました。  椎の実程度の小さな栗のせいか、はたまた子供の頃

とは味覚が違ったせいか、う~む、たいして美味という訳ではありません

でしたが。

山はやっと桜葉が色づいた程度。みやましらぎくや、野菊、秋の麒麟草が

咲いておりました。

写真は「県民の森」の展示室です。


 今日は今日とて良い晴天に恵まれましたので、さて、どうしょうと思っ

ておりますと、風の中にかすかに金木犀の香りが、、、。

「雉も鳴かずば撃たれまい」という言葉がありますが、「金木犀も薫らず

ば切られまい」とばかり、J氏に庭の木の剪定をしてもらいました。

これで、窓辺のゼラニュウムの花にも日が射すようになりました。

しかし、追い払われた女郎蜘蛛が窓辺にぶら下り、らうらめしげに私たち

を見下ろしているのでありました。



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