11月20日(金)
花の美しさに魅かれて、しばし見とれているとつい自分が花か、花が自
分かと、錯覚してしまう時があります。
夢見心地から覚めてみれば、自分はエプロン姿に夫のダウンのチョッキを
羽織っていたりして、どう見たって(鏡を見なくても)立派なおばーちゃ
んスタイルなのです。
ひと仕事終えたら割烹着を外し、少しは身なりなどかまえば良いのですが
家事と云うものは、どうも断続的にだらだらと続くもののようで、いちい
ち割烹着を脱いだり着たりが、面倒くさいのです。
それに、ちょっとした暇に活字を目で追ったりすると、急な睡魔に襲われ
たりするものですから、新型、旧型の風邪に備えるためにも、チョッキは
離せないというものです。
しかし、この格好、数十年前の田舎の母親のスタイルとまったく同じじゃ
ないですか。
玄関の来客に割烹着を外さず応対などしているのでは、花の姿とはますま
すかけ離れるばかり。
ところが、割烹着一枚外してみると、これが妙にスースーして、落ち着か
ない寒さなのです。
とあるゲームの女の子の最初の鎧が、布のエプロンなのですから、割烹
着も女性の立派な防具であるには違いないのですが、、、。
ゲーム世界にはミスルリ銀で出来た女性にも装備可能な防具が有ります。
これが、軽くて、いかようにも加工が出来て、美しいのにそんじょそこら
の剣ではかすり傷一つ負わせない優れモノなのです。
しかし、ミスルリ銀はお金で買えるものではなく、自らの戦いの中でふと
した所から手に入るもの。
戦わない者は決して手にすることの無い鎧、それがミスルリの鎧なので
す。
来るべき冬に向かって凛凛と美しく咲く冬桜は、きっと自ら勝ち取った
ミスルリ銀の鎧を身につけて居るに違いないのです。
割烹着のポケットに手を突っ込み、花をうらやむ風うさぎです。
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