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風うさぎの日記
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iwadono


     12月4日(金)

 ほぼ、葉を落とし尽くした桜の枝の辺りに、時折、きらりと光りながら

流れるものがあります。

初冬の光を受けて、目の前を横切る銀色の細い線は主を無くし、風に敗れ

た蜘蛛の糸の残骸であるようです。

さて、あれだけ見事な蜘蛛の巣を、朝毎、辛夷と槿(むくげ)と山茶花の

垣根の間に張っていた女郎蜘蛛は一体どこにいったのでしょう。

決して蜘蛛の類がすきなわけではないけれど、私の庭で共に生きることを

自分の中に許してしまった以上は、妙に気になる存在であるわけです。

 そう思っていた矢先の、昨日の雨の日、酔芙蓉の葉裏に雨をしのぐ様に

小さく張った蜘蛛の巣を見つけました。

その巣の中心に、もう何処ぞに卵を産み終えた、やせ細った女郎蜘蛛がぶ

ら下がっておりました。

あまりもの生気のなさに、足下の小枝を拾ってちょっとつついてみると、

もっさりと動いたので、どうやらまだ生きてはいるようです。

    木の葉裏が終の棲家か女郎蜘蛛    風うさぎ

 写真は、岩殿観音の秋です。

金色に敷かれた銀杏の境内を歩いてみたくて、一週間前ぐらいに訪れたの

ですが、銀杏はまだ葉を落としてはおらず、紅葉も完全には赤くなってい

ませんでした。

たぶん、昨日の雨で散った銀杏が今日あたり、境内一杯埋め尽くしている

のではないでしょうか。

















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