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風うさぎの日記
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kumonosu


      10月13日(火)

 ある春の日、庭から蜘蛛とカマキリの卵が孵って、文字どうり蜘蛛の子

が散るように、何処へかと消えていきました。

我が家では蜘蛛とカマキリとカナヘビは、ほぼお構いなしなのです。

あんなにもくもくと数知れない蜘蛛の子やカマキリの子が、みんな無事成

長したらどうしょうとも思うのですが、自然の理は良くしたもので、みな

程々の数に収まって、時折私を驚かすぐらいのものなのです。

ただ、やはり蜘蛛(女郎蜘蛛)は我が家がどうも居心地が良いらしく、か

なりの数の蜘蛛達が、あちらこちらに巣を作っています。

巣立ちから半年、蜘蛛は彼女特有の色彩を帯び始め、小さなオスを従えて

日々蜘蛛の巣作りに余念がありません。

(さすがに、通るに邪魔なものは取り払らわさせて頂きますので)

そして、今朝、朝日に輝く蜘蛛の巣の何と大きい事か。

きっと我が家の一番出世頭に違いありません。

しかし、しかし、あまりの大きさにぼーっと見ていますと、折しもふらり

と飛んできた羽虫が、荒い蜘蛛の巣の目からするりと抜けていくではあり

ませぬか。

頭上のゆずの枝に二まわりは小さいけれど、良く出来た蜘蛛の巣もあって

、あれですね、同じ蜘蛛と云っても大雑把で大風呂敷を広げたがる奴から

緻密でコツコツタイプのものまで、色々な性格があるのに違いないので

す。

 今朝の雲は鶸色(ひわいろ)に輝くうろこ雲でした。

これはてっきり、天候が崩れて昼ごろからまた雨でも降るのかと思いきや

何と、一日穏やかな日よりで、びびさんなどは先ほど暗くなった庭から

灰色の窯猫同然で取り入れられました。

 多くを望まなければ、程々に穏やかで好日の日々でございます。



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