10月8日(日)
「逃避」 (一つのアイディンテティ)
ダラダラ坂のテッペンに生えている一本のヒマラヤ杉。
薔薇色に燃える空が俄かに褪めて
夕月がヒマラヤ杉を滑り降りる。
小さな村の古びた窓から祈りにも似た思いを載せて
夜毎、月を沈めた。
山の貴方の空遠く
山の貴方の空遠く
都会の雑踏を歩き始めて見上げる空。
紫色に染まる新宿の夜の空。
人はすぐ側にいるのに
彼らは心の地平線を決して他人に見せはしない。
シャラランと鎖の音をビルの谷間に響かせ
見えない羽根を広げて
アヒル飛びなさい。
アヒル飛びなさいとは何時の時代の呪文だったか?
逃げ込んだ森の奥深く。
しかし、例えどんなに森深く隠れ住んでも
ここは日本の片隅。
番号をふられた私は森に迷っていることすら出来ない。
ましてや大声で自由に歌声を上げるなど、、。
この森は誰の所有地ですか?
私は青いテントの不法住民ですか?
青いテントの住人よりも不自由ですか?
だけれど私は知ってしまった。
この国を逃げたところで夢見る国などありはしない。
多くの国はあまりにもいまだに貧しい。
あの大きな自由の国アメリカは他を蝕んで口を拭う。
そんな国に傀儡されて引きずられていっていいのですか?
ああ、確かに私たちは直接間接、民主主義の名の下に彼らを選んだのでした。
私たちの指導者を。
私は今アンドロメダの銀河の一つの星に生まれ変わろうと
思っています。
最初は小さなアメーバーから。
長い時を経てやがてアンドロメダ語を学び
アンドロメダ憲章を立ち上げ
仲良くアンドロメダに住まうのです。
夜空の彼方、星の中。
夜空の彼方、星の中。
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