4月10日(木)
今日も一日雨でした。
寒暖の激しい日が続きます。 さて6日、日曜日は埼玉こども動物自然公
園内にある「ビアトリクス・ポター資料館」が2周年を迎えたとの事で、
大東文化大の英米文学科准教授 ジョージ・ウォレス氏による講演があり
ました。 題して「ピーターラビットとイギリス最新事情」
しかし、THE TALE OF JEMIMA PUDDLE-DUCK のスライドを見ながら本の
内容を読んで頂くだけで約20分。
お話の内容を解説して下さるだけで、時間切れになってしまった感があり
ました。 ただとても印象深かったのは、THE TALE OF JEMIMA と宮沢
賢治の童話「土神と狐」「注文の多い料理店」との共通性の指摘でした。
確かにちょっとおバカなアヒルのJEMIMA をだまして丸めこもうとする
(ジェントルマン)とハイネの詩集を片手に樺の木に語りかける狐と、本
当によく似ております。
{しかも~」と流暢な日本語でウォレス氏は言いました。
「岩手に住むローカルなこの狐、何と「ロンドン・タイムス」を読んでい
るんですね~。」
不器用でありながら自由を求めて、冒険の旅に出るJEMIMAをポターの分身
であると言い得るのなら、有りもしない望遠鏡や英語や独逸語や日本語の
美学の本をちらつかせて虚勢を張る狐は賢治の自嘲的な自己の捉え方かも
しれません。 無論、ぼろぼろでぐちゃぐちゃな土神も又、半面の彼で
あるのでしょう。
いかにせよ、己をみつめ再認識する仕事は、かなりしんどい作業ではあり
ます。