9月19日(水)
日が傾いて、ときに窓を過ぎる蝶の黒い陰に驚いたりもするのです。
野は曼珠沙華で赤く染まり、沈む三日月は南西の空に舵を変えました。
季節は誰の上にも容赦なく過ぎて行くようでございます。
ヤクルトの古田監督も今季限りとの事。
残念なことですね。
古田がいて、高津がいて、宮本がいて稲葉がいて飯田のいるヤクルトが本当に好きだ
ったのです。(勿論、石井や若武者のような五十嵐や、真中も)
巨人ファンのJ氏が私の為に、古田氏のバインダーを作ってくれたのに、彼のカッコ良
い写真や切り抜き新聞を貼るどころか、彼の涙の退団記事で終わってしまいそうです
。 さて、今夜はJ氏は会社のお仲間と連れ立って秩父の温泉に出かけました。
今夜は彼岸近い静かな夜です。
こんな夜は「中原中也」の詩でも口づさみつつ、物思いにでも耽りましょうか。
秋の夜は はるかの彼方に 小石ばかりの河原があって
それに陽はさらさらと さらさらと射しているのでありました。
陽といっても まるで硅石かなにかのようで 非常な個体の粉末のようで
さればこそ さらさらとかすかな音を立ててもいるのでした。
さて、小石の上に今しも一つの蝶がとまり 淡いそれでいてくっきりとした
影を落としているのでした。
(略) 中原中也 一つのメルヘンより