11月18日(火)
春陽のもとでの柿の葉の芽生えは、実に明るい緑色に輝き、何処にあっ
ても柿の木は柿の木と分ったものでした。
それから柿の木は少しばかり季節に埋没し忘れ去られ、
柿の木が柿の木と再び自己を主張し始めるのは、守り育てた柿の実が赤く
熟れ、もう守るお役目が終わったとばかりに、すっかりその葉を落ちつく
す時でございます。
人も鳥もまるで手品を見せられたかのように、驚いて家々の庭や畑のたわ
わに実った赤い柿の実を見上げるのです。
そそくさと沈む夕陽の形見の様に幾つかの柿を買い求め、その店先でしば
らくクリスマスの電飾を楽しみました。
夜の長い季節がやってまいります。
(我が家の梅の木にも何かひとつ飾ろうか?)
(サンタさんかな?お星様かな?あ、この色は少し派手かな?)
どんな時でも心楽しく暮らしていかねばなりませぬ。
柿熟れる里に流るる「家路」かな 風うさぎ
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