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風うさぎの日記
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coffee-cover


       1月28日(水)

 トルコ絨毯のお店でコヒーを振る舞われた。

 たくさん砂糖を入れるのが美味しいのだと

 不揃いの大きさの角砂糖を山ほど入れようとするので

 あ、ひとつだけで結構ですと私は言い、
 
 別の客は砂糖など要りませんと断り

 ある人はどうしょうかと思巡らすので

 店主はとうとう砂糖壺をそばに置いて

 勝手に入れて下さいと接客を投げ出してしまった。

 コヒーの味はなつかしい50年前の焦げた豆味がして

 舌の記憶に涙が流れるほど、、、。

 古びた戸棚の奥から

 密かにくすねて飲んだ缶入りコーヒーの味。



 学生時代、神楽坂の「ウインドゥ」や冨士見坂教会裏の「ルノアール」

 外堀通りの「人形の家」で飲んだコーヒーはとろりと濃くて苦く

 それにたっぷりのミルクと砂糖を入れて飲んだ。

 授業から授業の空き時間をつぶす為に。

 店の名前は覚えているが、一杯幾らだったかは忘れてしまった。

 静かな音楽の流れるほの暗い空間で

 一体何を考えて生きていたのかさえも今は定かでない。



 結婚してからの我が家のコーヒーの味は

 J氏が卒業旅行に放浪したアメリカ風。

 ここのところ人生に閑けさが生まれたので

 粗挽きのキリマンジャロをドリップで淹れて

 冬の朝の澄み切った空気を琥珀色の香りで満たす。

 コーヒーポットに溢れるほど淹れたコーヒーを

 手作りのポットカバーの下にもぐらせ

 一匹の白猫と夫と

 共に暮らした歳月を

 この香りが思い出させてくれるに違いない。


 時がたてば、、、、。

 

 

 
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rinrei


      1月16日(金)

 大寒が近いだけに昨日今日の寒さは一段と厳しいものがあります。

ほとんど冬眠状態のムーミン(私)に次女さんところの赤さんが病気にな

ったと電話がありました。

40度近い高熱にみまわれ近くの小児科病院で診てもらったところ、大き

な小児科専門の病院を紹介され、即、入院と相成りました。

検査の結果、ちょっと厄介な病気ではあるが、治療の可能な病気らしいの

で一安心です。

今日あたりは熱も引いてきて、赤さんに笑顔が戻ってきたとのこと。

小児科病院が世間から消えて、右往左往するような事もあると聞く昨今、

いち早い、手当が出来た事は不幸中の幸いであったと思います。

とはいえ、母親にしてみれば2歳になったばかりのチャッピーを人に預け

ての、病院通いは苦労の多い事と思います。

私も生まれたての次女さんをJ氏の実家に預けて、長女さんの病床に付き

添った思い出があります。

人生、生きておりますと本当にいろいろあります。

今はただ、赤さんの早い回復を祈るばかりです。

写真はお正月のチャッピーと赤さん。






akeome


     09年Ⅰ月6日

 あけましておめでとうございます

今年の初夢はふきのとうでした。

少年が籠いっぱいのふきのとうをつんでいるので「あ、それいいな~」

と言ったらそこにもあるじゃん!と指さした私の足元にもふきのとう、ふ

きのとう。  冨士でも鷹でもなすびでもない何故にふきのとうと思った

りもしますが、怒涛の世相を思えば、いつまでも続く冬はないので地に伏

して春を待つふきのとうの様であれとの天の声と肝に銘じることに致しま

た。   おみくじもささやかに「吉」とでました。

ともあれ皆様におかれましたは健康に恵まれ輝かしい年となりますよう心

からお祈り申し上げます。

       09年 丑年
kaki


       11月18日(火)

 春陽のもとでの柿の葉の芽生えは、実に明るい緑色に輝き、何処にあっ

ても柿の木は柿の木と分ったものでした。

それから柿の木は少しばかり季節に埋没し忘れ去られ、

柿の木が柿の木と再び自己を主張し始めるのは、守り育てた柿の実が赤く

熟れ、もう守るお役目が終わったとばかりに、すっかりその葉を落ちつく

す時でございます。

人も鳥もまるで手品を見せられたかのように、驚いて家々の庭や畑のたわ

わに実った赤い柿の実を見上げるのです。

そそくさと沈む夕陽の形見の様に幾つかの柿を買い求め、その店先でしば

らくクリスマスの電飾を楽しみました。

夜の長い季節がやってまいります。

(我が家の梅の木にも何かひとつ飾ろうか?)

(サンタさんかな?お星様かな?あ、この色は少し派手かな?)

どんな時でも心楽しく暮らしていかねばなりませぬ。


   柿熟れる里に流るる「家路」かな   風うさぎ




rin-niwa


      11月14日(金)

 今日は県民の日でした。

良い天気でしたので、何処ぞに出かけようかと考えている時に、次女さん

からメールが入り、そうだ次女さん所に行こうと思い立ち、出かけて来ま

した。  彼女は二人の子供に恵まれて一生懸命子育ての真っ最中ですが

、まあ大変そうです。 髪振り乱して奮闘中の彼女に、新川和江氏の詩を

一編贈ることに致しましょう。


   大地はまだ、、、、


大地はまだ

まっかな林檎やきんいろの蜜柑を

こんなにもころころ

とり出して見せてくれるのだもの

その上に今生きている私たち

大地をまねて

新しいいのちを生み出さなければならない

花咲き 種子となるものたちを

すこやかに育てなければならない


空はまだ

鳥たちを自由にはばたかせ

窓という窓に陽光を届けてくれるのだもの

その下に今生きている私たち

空にならって

ひろい心を持たなければならない

暗い夜には月と星をちりばめて

この世を明るくする

灯の点け方を覚えなければならない


海はまだ

たくさんの魚を泳がせ 貝を眠らせ

はかり知れない涙を混ぜ合わせて

だいじな塩をつくっていてくれるのだもの

海に囲まれ 今生きている私たち

海と同じく

いつも豊かに満ちていなければならない

母よ と呼んでくれる者たちのために

子守唄をうたいつづけていなければならない


     新川和江   「お母さんのきもち」より



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